科学的に三日坊主をやめられる方法
2015/11/18
自分よりも、遥か高みにいる偉大な人物を見て、人は揃いも揃って、こんなことを口にします。
「学生時代、もっと勉強していたら、俺の人生は全く別のものになっていたことだろう」
「あのとき、もっと練習していたら、私はオリンピックに出ていたかもしれない」
「若いとき、もっと仕事を頑張っていれば、社長になれたかもしれない」
目次
偉大なる人物と平凡な自分
偉大なる人物は、自分とは違って、努力を継続できたから、輝かしい偉業を達成しています。
もし自分も偉大なる人物と同じように、努力を継続していたら――あの頃に抱いた大きな夢を叶えていたかもしれません。
偉大なる人物と平凡な自分を比較したとき、その決定的な違いは、努力を継続できたか否かです。
誰かが言いました。
「継続は力なり」
そんなことはみんな分かっているし、知っています。当たり前の話です。
しかし、この世の大半の人は、努力を継続することができません。
なぜ人は継続することができないのでしょうか?
「意志が弱いから」
「モチベーションが低いから」
「やる気が続かないから」
大半の人は、こんな結論を出し、物事を精神論で片づけてしまいます。
私は精神論を、断じて否定します。
「その結論は間違っていますよ」
だから大半の人は、努力を継続できないのです。
この文章を読んでドキッとした方は、次の章に進んでください。
継続する方法を知っている方は、時間の無駄なので、ここで見るのをやめましょう。
科学的に努力を継続する方法
みなさんは「行動分析学(Behavior Analysis)」という学問をご存知でしょうか?
文字通り、人間の行動を”科学的”に分析することを目的とした学問です。
科学的という言葉を使ったのには、理由があります。科学とは、再現性がなければなりません。
例えば、「リンゴは落ちる」という現象は、科学的に証明されていると言えます。
地球上には重力があり、高い位置からリンゴを放すと、リンゴは落ちます。
誰がやっても同じ結果が出る――それが科学です。
つまり、行動分析学においても、誰がやっても同じ結果が出ることを証明しなければなりません。
ところで本題です。
その行動分析学の研究において、
「科学的に努力を継続する方法」
が実証されているとしたら、知りたくないですか?
なぜ人は努力を継続できないのか
答えは簡単です。
科学的に努力を継続する方法を知らないからです。
ごくまれに、その方法を知らなくても、努力を継続ができる人がいます。
それは努力の天才です。または、知らず知らずのうちに、方法を体得している人もいます。
しかし、天才は、この世に一握りしかいません。
私も同様に、天才になり得ない人は、先人が導き出した科学的な知恵と知識により、彼らと同じ能力を得る必要があります。
目的と目標を設定する
目的と目標をなくして、人は努力を継続できません。
なので、まずは目的と目標を設定してみましょう。
目的とは
では、そもそも目的とは、何でしょうか?
Googleで「目的」と検索すると、次のように表示されます。
もくてき
【目的】
得ようとしてねらう対象。到達したい状態として意図し、行動を方向づけるもの。めあて。 「―のための手段」
まずは、「自分は何を得たいのか」を明確にすることから始めましょう。
例えば、ダイエットをしようと考えたとします。そのとき、「ダイエットをすることで、自分は何を得たいのか?」と聞いてみるのです。その答えが目的になります。
痩せて見た目をよくすることで、自分に自信を持ちたい、異性にモテたい……などなど、目的は何でもいいでしょう。
しかし、目的は一度決めたら、絶対に変えないと誓いましょう。
いや、ごめんなさい。これでは語弊がありますので、言い換えましょう。
目的は一度決めたら、絶対に達成してやると思えることにしましょう。
それがあなたにとって、ベストな目的です。
目標とは
目的(ゴール)に到達するための過程にある道標(みちしるべ)が、目標です。
みなさんが普段利用している道路にも道標があり、目的地に行くためには、
・どの道を選べばいいのか
・どのくらい先に目的地があるのか
が明確にされています。
逆に、目標が明確になっていないと、人は目的にたどり着くことが難しくなります。
目標を明確にする方法
目標を明確にするには、ゴールから逆算することがポイントです。
次のステップで考えていくといいでしょう。
①どういう状態になれば、ゴールなのか
→例:体重が45kgになる
②今はどのような状態なのか
→例:体重は60kgである
③ゴールまでに何をしなければいけないのか。
→例:運動と食事制限
④運動の詳細
→例:ランニング×1時間/1日置き
⑤食事制限の詳細
→例:糖質100gまで/1日
という風に、目標は必ず数字でわかるように設定しなければなりません。
目標を数値にしないと何が起きるのかというと、今、自分が目標に対してどのくらいまで達成しているかを把握できなくなります。
数字は嘘をつきませんので、いつどこで誰が見ても、結果がわかります。
ちなみに、目標は、コロコロと変えてもいいです。
目的地へのルートは1本ではなく、いくつもあります。
思うような結果が出ない場合やキツすぎて挫折しそうになったときは、迷わず目標を見直しましょう。
参考記事:達成率を上げる目標設定の6つのコツ
努力の定義
ここでは、 努力とは、目標を達成するための行動だと定義しましょう。
目標を数値化できるものに限定すると、努力の内容は、
①何かを増やす
②何かを減らす
ための行動になります。
例えば、ダイエットを目的とし、体重を5kg落とす目標を達成するには、
①運動量(消費カロリー)を増やす
②食事量(摂取カロリー)を減らす
ための行動を起こさなければなりません。
何かを増やすための行動は大変!?
ダイエットの例でいうと、運動量を増やすために必要な要素としては、「時間」があります。
そもそも運動の時間を確保しないと、何も始まりません。
いつも一日を忙しく動き回っている人にとっては、時間の確保が最大の課題だと認識しましょう。
また、せっかく運動を始めようと思ったとしても、厄介な敵がたくさんいます。
・睡魔
・テレビ
・彼氏(彼女)
・ゲーム
などなど、誘惑されてしまう危険性が多くあります。
それらの敵は、あなたにとって、とても魅力的なのですが、目標を達成するためには邪魔でしかありません。
そんな邪魔な敵を排除する方法は下記の通りです。
①事前に欲求を満たしておく
②誘惑に乗るためのハードルを高くする
③目標を達成した後のご褒美とする
例えば、朝にランニングをしようとしたが、いつも睡魔に負けてしまう人は、事前にたくさん眠っておけばいいわけです。そうです。解決策は①で、早く寝ることです。
次に、夜にジムに行こうとしたが、彼氏にディナーに誘われた場合は、②か③の解決策を選べばいいわけです。スマホはジムが終わってからしか見ないとか、ディナーに行くのはジムに行ってからと決めるとかですね。
人によって、目標はさまざまですし、敵となるものも千差万別ですから、あらかじめ下記の点について分析をし、対策も考えましょう。
①敵を認識する
②敵を排除する方法を考える
最初は敵に負けることもあるかもしれませんが、敵を排除する方法を考え、実行すれば、必ず努力は続けられます。
何かを減らすのも大変!?
大好きなラーメン食べたら美味しい。
煙草を吸えば落ち着く。
テレビを見れば面白い。
そんな風に、人は簡単に欲求を満たしてくれるものに弱いです。ダメだとわかっていても、そのことがやめられません。
痩せるためには、ラーメンは控えなければなりません。
妊娠している子供のためには、煙草は控えなければなりません。
勉強するためには、テレビを控えなければなりません。
では、どうすれば、何かを減らすことができるようになるのでしょうか?
①目標の障害にならない他のもので事前に欲求を満たしておく
②行動に移すためのハードルを高くしておく
個別に説明しましょう。
例えば、人はお腹が空いたらご飯が食べたくなります。
また、家の近所に大好きなラーメン屋があり、そこで食べると幸せな気分になることがわかっています。
食欲は「お腹が空いた」という前提条件により、高まったり、低くなったりします。
少し強引な極論ですが、お腹が空かなければ、ラーメン屋に行こうとはなりません。行動を起こす前には、必ず前提条件があるわけです。
つまり、ダイエットの障害にならないような食品(例:野菜、こんにゃくなど)をたらふく食べて、食欲を満たしておけば、ラーメンに行こうという行動を抑制することができます。
次に②ですが、これはシンプルに説明できます。
真冬ならば、半袖・半ズボンでしかラーメンを食べに行けないようにしておきます。
真冬に外出するとめちゃくちゃ寒いですし、周りの視線も気になりますから、外出へのハードルが上がりますよね。
このように、行動を起こす前の前提条件をうまくコントロールをすることで、何かを減らすことができます。
まずは計画し、やってみる。話はそれからだ
ここで上記の方法論をまとめましょう。
①目的を明確にする
②目標を明確にする
③目標が何かを増やすことであれば、
・敵を認識する
・敵を排除する方法を考える
④目標が何かを減らすことであれば、
・目標の障害にならない他のもので事前に欲求を満たしておく
・行動に移すためのハードルを高くしておく
これらの計画を事前に練り、まずは実行してみましょう。
おそらく最初は失敗することもあります。
しかし、②~④を日々見直していけば、必ずやあなたは努力を継続することができます。
最後に
この方法論を日本で広く普及している方がいます。
それは、石田 淳 氏です。
偉大なる氏の存在により、私はいま、努力を継続できています。
氏の功績を讃え、ここで筆を置きたいと思います。