中田ゼミ(研究テーマ:わかりやすさの追求)

わかりやすく解説するブログ

就活せずに卒業した大学時代の男友達(28歳)のリアル

      2017/12/04

私は2011~2012年の就職氷河期の時代に大学を卒業しました。

Wikipediaで就職氷河期と調べると2012卒の状況が記されております。

2012年卒(558692人)の統計結果では、就職者が357011人(63.9%)、正規雇用での就職者が335048人(60.0%)、非正規雇用での就職者が21963人(3.9%)であり、就職した人のうち約6%は非正規雇用であることが明らかとなった。
■Wikipedia(就職氷河期)より一部引用

およそ60%の学生しか内定を獲得できていないという厳しい現実でした。

ちなみに私が通っていた大学はいわゆるFランと呼ばれる超低偏差値の学校だったので、他の大学の学生と比べても、さらに厳しい状況でした。

かくいう私は苦戦に苦戦を重ねて何とか11月に心優しい企業から内定をもらうことができました。

が、私の周りの友達では、半数以上が内定なしで、そのうち2人は就活すらしていませんでした。

先日、その就活すらしていなかった友達とFacebookで再開し、飲むことになりました。

酒の席で聞いた話ですが、卒業後の彼の生活は、想像を遥かに越えて大変そうでした。

今回は、彼のリアルについて書いていくと共に、学生のみなさん、特に就活生や、就活を目前に控える方々に向けた重要なメッセージとなれば幸いです。

声優を目指して専門学校へ

彼が卒業後、専門学校に進むことは、私も知っていました。

が、何をするのかについては聞いておらず、私は公務員を目指すのかなと勝手に想像していました。

なので、「声優の専門学校」と聞いたときは思わず目が点になっていたと思います。おそらく彼の親も、私と同じ心境になったのは言うまでもないでしょう。

どうして声優を志すようになったのか。それは大学時代にハマったアニメの影響だったと彼は言いました。

確かに彼は、大学1年の秋頃から重度のアニオタになりました。それまでは深夜アニメとは無縁のスポーツメンだったのですが、Youtube全盛の時代と暇な時間の多い大学時代が重なり、幸か不幸か、彼は深夜アニメの魅惑に引き込まれていきました。

深夜アニメにドハマリした彼は気づけば、2.5次元の声優さんたちに恋い焦がれるようになり、「彼女らと同じ職場で働きたい!」という超絶不純な動機で声優への道に進むことを決意します。

私が彼の親なら、軽く助走をつけて殴り飛ばしているところですが、かつての悪友であった彼の真実を聞くに、私は腹を抱えて笑っていました。

このときまでは・・・。

親との離別

彼が専門学校に通い始めてから3ヵ月が経とうとしたある日のこと。彼の父親が、突然、この世からいなくなります。病名は心不全。本当に突然の出来事だったと、彼は言います。

父親の葬式の最中、彼は、泣き崩れる母と、まだ高校生の妹を見て、

「俺は何をやっているのだろうか・・・」

と現実に引き戻されたそうです。

4年間大学に通わせてもらったのは、特別でなくてもいいから、それなりに裕福に暮らしていけるだけの「大卒」という肩書を貰いにいった訳で。

しかし、自分はその肩書きを捨て、なれるかどうかも分からない「声優」という特別な職業を目指している。

こんな俺でいいのか?いや、良い訳がないよな。

そうして彼は決意をします。

就活、そして失敗

葬式が終わった後、彼はすぐに専門学校を辞めて、就職活動を始めたようです。

しかし、結果は散々でした。30社ほど受けに行ったのですが、1社も1次面接すら受からなかったそうです。

「なぜ新卒で就活しなかったのか?」

「なぜ専門学校に通っていたのか?」

面接で必ずと言っていいほど聞かれたこれらの回答に対して、自分の将来に対する見通しの甘さを指摘され続けた彼は、とうとう心が折れてしまいました。

そして正社員の立場を諦めた彼は、アルバイトで働き始めます。

アルバイトでの順調な生活・・・

彼は大学を卒業してから働き始めるまで、バイトをしたことがなかったと言いました。

正確には、1回だけバイトを始めたことはあるのですが、1日で嫌になって辞めてしまい、それから働いたことはなかったようです。

某物流会社のコールセンターのバイトを始めた彼は、意外にも仕事を苦に感じなかったそうです。

上司の人と仲良くなり、周りの人たちもとても親切にしてくれたおかげで、仕事にも慣れ、毎日が順調だったようです。

しかし、そうして2年が過ぎようとした頃。

彼には次なる試練が訪れることになります。

入院で貯金ゼロに

出勤中の出来事だったと彼は語りました。

激しい頭痛により、職場のデスクの上で動けなくなったのです。身体を横にすると、痛みが和らぐのですが、起き上がろうとすると、激痛が頭を襲う。

救急車で病院へ直行し、即入院。

CTスキャン、MRIの検査をするも異常なし。しかし、頭痛による吐き気で食事ができず、眠ることもできず。

薬を服用することで、何とか睡眠は取れるものの、頭痛とともに目覚める毎日。

一時は症状がマシになり退院したものの、定期的に頭痛に襲われるため、働くことができなくなってしまった、とのことでした。

結局、頭痛の原因は分からずじまいだったようですが、3ヵ月で症状は治まったとのことでした。それ以来、激しい頭痛はないそうです。

頭痛の苦しみから解放された彼を待ち受けていたのは、アルバイトの解雇でした。

大好きな職場を離れることになり、相当落ち込んでしまったようです。

また、さらなる追い討ちとして、2年間で貯めてきた貯金がゼロになってしまったのです。

彼の心は絶望にまみれ、今にも死んでしまいたかったと回想しました。

そして現在・・・

それからアルバイトを転々とし、今に至るとのことでした。

ここまでの経緯を聞いた私は、思わずこんな質問をしました。

「なあ・・・もし大学2年か3年に戻れるとしたら、どうする?」

あのときの私は、すごく意地悪だったかもしれません。

今現在の彼を否定するような質問をしていることは、頭では分かっていました。しかし、どうしても聞かずにはいられませんでした。

彼は「うーん、そうだな…」と腕を組み、しばらくして、こう答えました。

「就活するわ」

時間は戻れない。今、就活ができるアナタがやることは?

長い文章を書いてきましたが、私が最後に伝えたいことがあります。

それは「今の自分しか未来の自分を助けてあげられない」ということです。

もし今この文章を読んで、少しでも就活をやる気になったのだとしたら私は嬉しいです。

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